松本塾ワールド

東京都港区にある就活支援・松本塾

「人を喜ばせること。それをCAという仕事でやってみたかった」

2025-07-14 14:31:38
2025-07-14 17:51:14
目次

はじめに

「就活において“願い”が大切だよ」と言われても、「“願い”って何? 神社でお賽銭を投げて、『合格しますように』って手を合わせるやつ?」と思ってしまう人もいるかもしれません。また、自分の「願い」なんて、考えたこともないという人もいるかもしれません。

 そこで、「“願い”にはどのようなものがあるのか」、「人々は“願い”をどうやって見出していったのか」、「“願い”をどのように仕事に結びつけていった人がいたのか」等の事例を少しずつ紹介していきたいと思っています。

 自分の心の奥にある「願い」は、インターネットで検索して見つかるものでも、AIに聞いてわかるものでもありません。「こうやったら、確実に“願い”を見出せる」というマニュアルがある訳でもありません。人によって、「願い」を見出すパターンは様々です。時に、それは人生の中に隠された「宝探し」のように感じられることもあります。

 人生に訪れた出会いや出来事に自分の心がどう反応したかを丹念に振り返っていく中で、「願い」につながる手がかりや、「願い」のかけらを見出すことがあります。さらに、自分に問いかけ掘り深めていくと、徐々に「願い」の輪郭がはっきりしてくることがあります。

 今回は、このシリーズの第1回目。このホームページの「学生の就活体験」にも取り上げた卒業生のTAKAKOさんの例を紹介したいと思います。

中学2年生の時の出会い

 TAKAKOさんは中学2年生の時にジュニア大使としてアメリカに行きました。はじめての飛行機。そして一人旅。機内では不安でいっぱいになっていました。そんな中、間違えてCALLボタンを押してしまい、一人のCAが目の前に現れました。

 あわてているTAKAKOさんの状況を察したCAは、「私の笑顔が見たい時は、またいつでもお呼びください」と言って、「にこっ」と笑いました。何ともやさしい、さわやかな笑顔でした。その出会いを境に、旅の不安は一気に吹き飛び、これからの旅が楽しみになりました。そして、「こんな素敵な女性がいるところで私も働きたい」と思いました。

 この時の出会いが、その後のTAKAKOさんの人生を大きく方向づけます。

 [出会いによる憧れの芽生え]

願いの発掘

 CAになりたい気持ちは強くあったものの、TAKAKOさんの学生時代は就職氷河期。CAは採用が見合されている状態でした。大学3年の終わり頃、私(松本)のところに「エントリーシートを見てください」と言ってやってきたのが、TAKAKOさんの就活のスタートでした。そこから約1年間の就活の歩みが始まります。羽田空港に行き、何時間も飛行機の発着を眺めて、涙を流して帰ってきたこともありました。CAと知り合う機会もなかったので、空港で移動中のCAに直撃インタビューを試みたこともありました。

 私は、企業の中で新人採用の責任者を担ってきた経験はあったものの、学生の就活のサポートは初めてでした。最初は、「就活の鍵は、落ち込む気持ちをいかに早く立ちなおらせることなのか」と思っていましたが、まったく違っていました。

 約1年間の就活期間を通して、いくつかの会社に受かったり、受からなかったりした経験も経て、TAKAKOさんの気持ちが熟成されていきました。そして、ある日、ポツリと「結局、私がやりたいことは『人を喜ばせること』だった。それをCAという仕事でやってみたかった。CAをやらせてくれるなら、最初の1年間はおトイレの掃除だけでもいい」と言いました。

 心の奥底で何かが「コツン」とぶつかった感覚でした。それは、TAKAKOさんが「願い」を発掘した瞬間でした。

 その後、彼女は約300倍の倍率を突破し、CAに採用されていきます。TAKAKOさんが私に教えくれたこと。それは「就活の鍵は、願いを発掘すること」だということでした。 

 [自分の気持ちの掘り下げ]

 

仕事って楽しいもの

 CAになって20年以上経った今も彼女は2児の母親として子育てに追われながらも、「乗客を喜ばせること」を気持ちの中心にすえて、国内外の空を飛んでいます。中学2年生の時に出会った素敵なCAのサービスを目標にしているものの、まだその域には達していないといいます。

 しかし、仕事に行く時の楽しそうな母親の後ろ姿を見て、子どもたちは「仕事って楽しいものなんだ」と思っているようだと、TAKAKOさんは言います。母親として、人生の先輩として、「仕事って楽しいものだよ」という無言のメッセージを子どもたちに伝えられるTAKAKOさんは、「素敵な生き方」をしていると思います。

【TAKAKOさんから学生への一言】

 学生時代に松本先生と出会って就職活動に真剣に取り組まなかったら、CA風な他の仕事は出来たかもしれないけど、CAにはなれなかったと思います。自分が本当にやりたいこと、自分が何をすれば自分の魂が喜ぶかを自分自身に問い詰めて、突き詰めて明確にならないと、就職の書類も書けません。就職は出来ても、すぐにやめてしまったかもしれません。「自分の魂が喜ぶことは何か」を見出す道を一緒に歩んでくれたのが松本先生でした。私は「人を喜ばせることがしたかった」と気づきました。

 就職活動を一人でやらないことが私の就活の特徴でした。自分のことは自分が一番わかっていません。だから、一緒に自分を掘り下げてくれる良き同伴者を見つけてほしいと思います。                        

                            [同伴者の存在]

願いのファイル(1):【人を喜ばせたい】

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この記事を書いた人

松本塾 塾長 松本 淳

「学生が輝くことが私の幸せ」という気持ちで、 塾生一人ひとりと向き合っていきたいと思っています。人々の可能性の花を咲かせる「花咲かじいさん」をめざしたいです。